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STORY

その異変は、終わったかのように思われた。

しかし、それは違った。

「終わり」の「始まり」だったのだ。

「幻鍵音異変」。

過去に二度発生した、不思議な音を奏でる鍵盤を以って起きた異変である。

しかし巫女や魔法使いの手により、事態は沈静化。

今や妖怪を中心に娯楽として楽しまれるようにまでなったという。

時は流れ――

紅魔館。

吸血鬼の住む館として幻想郷では名を知られている。

そして、その紅魔館の奥底に住む悪魔の妹――

「フランドール・スカーレット」。

今まで館の外の出来事はおろか、紅魔館内部の出来事にさえあまり興味を示さなかった彼女だが、

ある時「幻鍵音異変」の話を耳にする。

「そんな素敵なモノがあったなんて、どうして今まで知らなかったのかしら!」

その出来事は、彼女の好奇心をより強くさせた。

一方で、そこら辺を気ままに、そして無意識に歩く者が一人。

「古明地こいし」。

彼女はフランとは違い、幻想郷の様々な出来事に敏感であった。

もちろん、今回の「幻鍵音異変」も例外ではない。

彼女は今まで傍観する立場であったが、ある事を思いつく。

「これを使ってなにか面白いことが出来ないかな。あの時の宗教戦争みたいに。」

そう思った次の瞬間、彼女はすぐさま行動を開始した。

* * *

「こんにちは!あなたは誰?」

「これは驚いた。こんにちは!私は古明地こいし。あなたは……フランドール・スカーレットさん?」

「そうよ!私を知ってる人がいるなんてねー」

「まあね」

「そうだ!私今、すごく面白いモノを見つけたの!ちょっと付き合ってくれない?」

「! その鍵盤は……。いいよ!私も丁度退屈してた所なのよ」​

この異変は、

一人の吸血鬼と

一人の妖怪によって

再び、動き出す――

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